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Y-81020 (CO 3.05)コンドライトに含まれる金属粒子中の親鉄性元素(白金族元素など)の濃度をSIMSにより分析し、原始太陽系星雲内における親鉄性元素分別過程について考察した。マトリックス中に独立して存在する比較的大きな金属粒子と、コンドルール中のメタル粒子について分析をおこなった。分析した元素は、Os, Ir, Pt, Ni, Co, Fe, Auである。すべてのメタル粒子について、主要親鉄性元素(Fe, Ni, Co)はCI組成と比較してほとんど分別を示さない。一方、難揮発性の親鉄性元素(Os, Ir, Pt)の存在度は分別を示さないものから2桁に達する欠乏を示すものまで、大きなバリエーションを示した。難揮発性金属元素の欠乏は、超高温において難揮発性金属元素が分離したあとのガスからの凝縮によるメタル粒子形成の可能性がある。