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本研究では,始原的隕石の可溶性有機化合物の空間分布を明らかにするため,脱離エレクトロスプレーイオン化技術と高質量分解能・高精度で分析可能なオービトラップ質量分析装置を用いて,Murchison隕石表面の質量イメージングを行った。Murchison隕石表面から,CnH2n-2N2 (アルキルイミダゾール)およびCnH2n-1ONの精密質量に相当するシグナルを,質量精度5 ppm以内で検出した。これらの有機物は,炭素数の異なる複数の同族体が検出されており,隕石試料表面の分布は一様では無かった。本発表では,検出した有機化合物の空間分布と,岩石学的観察の結果を比較し,議論を行う。