日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G07 宇宙化学・惑星化学
X線吸収端近傍構造分析による火星隕石衝撃ガラス中の硫酸塩成分の検出
*四垂 将志中田 亮一臼井 寛裕清水 健二横山 哲也高橋 嘉夫
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p. 136-

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抄録

近年の火星探査や隕石研究の結果、現在は寒冷で乾燥した表層環境を保持する火星には、かつて液体の水が存在できるほど温暖・湿潤な時代があったと考えられている。本研究の目的は、火星隕石中の硫黄化学種解析に基づき、火星古環境に新たな制約を与えることである。対象とした試料は、EETA79001とLAR 06319の衝撃ガラスであり、これらには火星表層由来のガス成分の混入が先行研究によって示唆されている。本研究では、硫黄の価数別蛍光X線マップを用い、硫酸塩成分が存在する領域を効率的に探索する手法を初めて取り入れた。XANES分析の結果、両方の隕石からS(VI)に特有なスペクトルがS(-II)と混合した形で得られた。衝撃ガラスは天体衝突により火星表層で形成することから、これら硫黄は火星起源であると考えられる。本研究の結果は、火山岩であるこれらの隕石の母岩が酸性・酸化的な流体により一部が変質を受け、硫酸塩成分を獲得したことを示唆する。

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© 2017 日本地球化学会
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