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本研究では、ホウ素を加えた模擬海水を作成し、pHを制御した環境下で炭酸塩を沈澱させた。生成した炭酸塩をXRDにより結晶構造を同定した後、試料を硝酸で溶解し、陽イオン交換樹脂を用いてホウ素の精製を行った。そしてMC-ICP-MSを用いてホウ素の同位体比測定を行った。その結果、pHの増加に伴い、aragonite及びcalcite中に取り込まれたホウ素の同位体比は高くなった。しかし、calciteの方がpHによる同位体比の変動は小さく、またaragoniteよりも同位体比は約4‰高くなった。これらの結果は、calcite結晶中にホウ酸イオン以外にホウ酸も取り込まれたこと、また取り込まれる際に分別が生じた可能性が挙げられる。以上のことからpHを推定する際にはaragonite, calcite結晶で異なるモデルが必要となる。