日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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S01 地殻内流体の地球化学
海底熱水系の固体・流体相互作用に関する同位体的研究
*山岡 香子
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p. 179-

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抄録

地球表層環境システムは、太陽エネルギーあるいは地球内部エネルギーを熱源として、岩石圏・水圏・気圏・生物圏の4つのサブシステムが相互作用しながら進化してきた。海底熱水系は、地球内部エネルギーを熱源とする岩石圏と水圏の相互作用の場である。海底熱水系では、海洋地殻と海水が様々な温度で反応することにより互いの化学組成が変化し、地球全体の物質循環に大きな影響を与えている。熱水噴出孔周辺に沈殿した硫化物は鉱床となり、陸上で利用できる過去の海底熱水鉱床は、人類の文明発展において重要な役割を果たしてきた。そしてついに、現在の海底熱水鉱床が、資源としてターゲットとなりつつある。また、現在の地球環境において、人間を含む大部分の生物は太陽エネルギーに依存して生活しているが、初期地球においては、地球内部エネルギーが供給される海底熱水噴出域が、生命の誕生や進化において重要であったと考えられている。本発表では、私が大学院進学後から取り組んできた、海底熱水系にまつわる研究について紹介する。

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