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造礁サンゴは熱帯・亜熱帯の貧栄養海域に分布し,その炭酸塩骨格に年輪を刻みながら過去の海洋環境を記録している。講演者はこれまで造礁サンゴ骨格に含まれる有機物の窒素同位体比が貧栄養海域における窒素循環を解明する指標として用いることができるか検証してきた。測定手法の検討から始め,サンゴ骨格の窒素同位体比は海水硝酸の窒素同位体比を反映して変化することを発見した。そして長尺のサンゴコアに窒素同位体比指標を応用し,サンゴの生息期間である過去数百年間の海水硝酸起源の詳細な記録を得られることを示した。