始原的隕石および分化隕石は、質量非依存の54Cr, 50Ti同位体異常を示す。これらの異常は、太陽系形成初期の環境に化学的制約を与えるトレーサーとしての役割を果たす。また、隕石種ごとに異なる安定同位体異常は、隕石母天体どうしの類縁関係を探る新たなツールとしても注目を集めている。しかし、1つの隕石でCr, Ti安定同位体組成が同時に求められている試料は未だ少なく、これまでのデータの多くは、単一隕石内の不均質を考慮していない。同一隕石フラクションについてCrおよびTi両方の同位体比を測定することは、惑星物質の54Cr, 50Ti同位体異常をもたらしているキャリア物質を同定する上でも、そのメカニズムを考察する上でも、不可欠な課題である。そこで本研究では、同一フラクションからCrおよびTiを高回収率で単離する手法の開発を行った。