暁新世末から前期始新世にかけて繰り返し発生した短期的地球温暖化イベント (hyperthermals) について,インド洋における記録はほとんど報告されていない.本研究では,インド洋のODPコアを用いて,複数かつ高時間解像度のhyperthermalsの地球化学データを取得した.さらに,それらの多元素組成データセットを独立成分分析を用いて統計的に解析した.その結果,hyperthermal期に海洋の輸送生産が増大して大気−海洋系から余剰な炭素を除去する負のフィードバックが機能し,温暖化状態からの回復に寄与したことが示唆された.