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太古代マントルの強親鉄性元素組成を見積もるためにカナダ、ラブラドル地域サグレック岩体に産する変成コマチアイト(約36億年前)及び変成かんらん岩(約33億年前)の地球化学的研究を行った。その結果、両者ともに起源マントルに含まれる強親鉄性元素は、現世のかんらん岩から見積もられた始原マントル組成(PUM)に比べて約20%程度少ないことが判明した。本発表では太古代地質体で認められるタングステン同位体異常(~+11-15 ppm)の成因と合わせて太古代マントルが強親鉄性元素に枯渇している意義を議論する。