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多様なマグマ的鉄隕石や分化エコンドライトが存在することから、太陽系形成初期には、溶融分化した微惑星や原始惑星が多数存在していたと考えられる。ユークライトは、分化エコンドライトの最大のグループである。岩石学的にユークライトに類似しているが、酸素同位体組成の異なる隕石が数種類見つかっている。これらは、ユークライト母天体とは異なる微惑星を起源としているとされる。よって、これらの隕石の研究によって、異なる微惑星の進化過程の相互比較が可能となる。結晶質なユークライト様エコンドライトは、玄武岩および集積岩に分けられる。本研究では、集積岩タイプ、A-881394、Dho 007、および、EET 92023に着目し、その全岩元素組成、鉱物組成および岩石組織から、形成過程の考察や比較を行った。