日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G09 水圏や土壌圏の環境地球化学
閉鎖性水域におけるアミノ酸窒素安定同位体比を用いた有機フッ素化合物の食物連鎖蓄積の評価
*松山 恵里菜吉本 未来山田 勝雅岡村 和麿櫻井 健郎内山 幸子小林 淳
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p. 275-

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抄録

パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は生物蓄積性が高いことから残留性有機汚染物質(POPs)に指定されたが、PFOSを含む有機フッ素化合物(PFAAs)の食物連鎖蓄積に関する研究は限られているのが現状である。食物連鎖蓄積の評価にはTrophic magnification factor(TMF)が使用され、TMFには生物の栄養段階(TL)の算出が必要である。TLの算出には全窒素安定同位体比(δ15N全窒素)による手法が一般的だが、より精度の高いTLの算出方法としてアミノ酸窒素安定同位体比(δ15Nアミノ酸)を用いた手法が開発された。本研究では東京湾において採取した生物試料を用いてPFAAs 17種についてδ15N全窒素とδ15Nアミノ酸によるTLを比較し、TMFの信頼性について検討した。TLはδ15N全窒素とδ15Nアミノ酸で違いが見られ、TMFではカルボン酸類のC4、C6、C8でTMFが高い傾向にあり、偶数鎖化合物の蓄積性が高いことが示唆された。

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