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第四紀は寒冷-温暖な時期を繰り返したことが知られている。Sr安定同位体比(δ88Sr、88Sr/86Srの標準物質に対する千分率偏差)は新指標で、海水のδ88Srは主に陸域のケイ酸塩岩/炭酸塩岩風化による供給と、海洋の炭酸塩沈殿による除去を反映する。本研究では浮遊性有孔虫から約300万年間のδ88Srの記録を得た。第四紀のδ88Srは60万年以後に0.011‰の低下が認められた。これは海洋における正味の炭酸塩流入が最大1.6–2.1 × 1015 mol/105 yrまで増加したことを示し、氷床量の拡大に伴う大陸棚域の露出増加とその風化量の増大などが原因と考えられる。