日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
会議情報

G01 大気微量成分の地球化学
小笠原諸島・父島大気中に存在するシュウ酸の安定炭素同位体比:長期変動とその支配因子
*河村 公隆立花 英里
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 73-

詳細
抄録

シュウ酸のδ13C値は、-22‰から-2‰の範囲で変動した。その値は、冬に低く夏に高くなる季節変動を示した(図1参照)。夏の高い同位体比は、鉄など遷移金属の共存下におけるシュウ酸の光化学的分解に伴う同位体分別によって説明される。すなわち、シュウ酸鉄の光分解において12C-12C結合が選択的に切断され、その結果、13Cに富むシュウ酸が残存する。また、2001から2013年にかけて、シュウ酸の同位体比は、約4‰の減少傾向を示した。その減少傾向について、陸上植物からの寄与の変化及び大気酸化能力の変動の観点から議論する。

著者関連情報
© 2017 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top