日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G08 生物と有機物の地球化学
亜熱帯貧栄養海域表層における溶存態有機窒素の生成:アミノ酸窒素同位体組成分析からの新仮説
*山口 保彦Matthew D. McCarthy
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p. 81-

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抄録

海水中の溶存態有機窒素(DON)は、海洋の主要な窒素リザーバーの一つであり、海洋の物質循環、生物生産、生態系などに重要な役割を果たしているが、DONの供給源となっている生物や元々の窒素源など、その動態については不明な点が多い。本研究では、貧栄養海域である北太平洋亜熱帯環流(ハワイ島沖)の表層海水のDONおよび懸濁態有機窒素(PON)について、HPLC精製を用いた高精度アミノ酸窒素同位体組成分析の結果を報告する。アミノ酸窒素同位体組成の値とパターンがPONとDONで大きく異なり、特にDONで従属栄養微生物の寄与度が高いことが示唆された。これらの結果は、「貧栄養海域の表層海水DONは、表層海水PONの分解残渣である」とした従来のモデルを支持しない。そこで本研究では「貧栄養海域の表層海水のDONとPONが、それぞれ別のプロセスと窒素源から生成される」という、新たな仮説を提示する。

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