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緒言:雪氷内の窒素酸化物を代表する硝酸イオンについて、南極域の積雪・氷床コアでの濃度分布が測定されている。また、硝酸は光分解や揮発によって雪氷から大気中へ再放出されていると言われている。このプロセスは大気中人為起源NOxの影響を受けない南極において重要なNOx生成源となり、南極の大気化学に大きく影響している。硝酸は積雪内・積雪上で光分解することで、NO・NO2・HONO・HO2NO2などになる。さらに、積雪内で生成した窒素酸化物ガスはフィルンエアーに滞留し、ウィンドポンピングによって生じた積雪内対流とともに大気中へ放出される。本発表では、JARE57(2016年1月)に南極沿岸部で実施された大気中窒素酸化物の連続測定、積雪からの窒素酸化物フラックスの連続測定、積雪内HONO・HNO3のパッシブサンプリングの結果を報告する。