北極海カナダ海盆西部域は、北太平洋からの陸源物質流入口であるベーリング海峡に近接し、北極海全体の物質循環を把握する上で重要な海域のひとつである。カナダ海盆西部域におけるセディメントトラップを用いた係留観測では、沈降粒子の60~80%がアルミノ珪酸塩砕屑粒子であること、夏季だけでなく極夜が始まる11月頃に沈降粒子フラックスが高いこと、フラックスの季節変化は表層・深層ともに類似していることが明らかになっている。本研究では、カナダ海盆西部の表層と深層で採取された沈降粒子について、アルミノ珪酸塩砕屑粒子のSr、Nd同位体比、希土類元素を含む微量元素の存在度を指標とし、アルミノ珪酸塩砕屑粒子の起源・供給量・運搬プロセスおよびそれらの季節変動要因について検討した。