ナトリウムの結晶選択性に着目し、炭酸カルシウムを合成した。方解石に対するナトリウムの分配係数は、水温が上昇するとわずかに低下したが、アラレ石に対する分配係数は、水温と共に増加した。どちらの場合も溶媒のカルシウムイオン濃度が上昇すると、分配係数が高くなる傾向を示した。軟X線吸収微細構造の結果では、方解石とアラレ石中のナトリウムのスペクトル形状は、それぞれ方ソーダ石と藍方石に最も近いエネルギー位置を示した。藍方石と方ソーダ石のNa-O距離は、アラレ石と方解石のCa-O距離(それぞれ2.41~2.66 Åと2.36Å)にほぼ一致する。アラレ石におけるナトリウムの分配は、より高いエネルギーを必要とし、そのため、水温の上昇とともにナトリウムの分配係数が増加したと考えられる。