p. 155-
海洋における多くの元素について、鉄マンガン水酸化物や大型の生物粒子がスキャベンジャーとして鉛直輸送を担っているという考え方が主流 (Sholkovitz et al., 1994) となっている。また、希土類元素の循環について、珪藻ケイ酸殻粒子と炭酸塩粒子が主要なスキャベンジャーとして働いていることがAkagi (2013) にて示唆されている。ところが、炭酸塩粒子による元素の吸着は、反応を過飽和条件で急速に進めるとキネティックな過程が卓越し、Caに対する分配比が1に近づくことが報告されている。そこで、我々はキネティックの効果を排除できるように1)粒径分布を持つ種結晶を用い2)飽和および未飽和の条件で,分配定数を求める方法を考案し、希土類元素、鉄、マンガンについてそれぞれの分配挙動やこれらの元素が共存している時の分配挙動の変化を調べた。