マリアナ前弧海山列の南端に位置する南チャモロ海山は,ブルーシストを伴う蛇紋岩海山である。南チャモロでは2001年にODP掘削Site1200が実施され,山体内部の蛇紋岩泥の間隙水に海水と同等レベルの硫酸およびメタンなど炭化水素を含むことが明らかとなり,また蛇紋岩泥の流体はスラブ(0.6GPa−300℃程度の領域)を起源とすることが指摘されている。1200C孔には掘削直後にケーシング処置が施され,2003年にモニタリング装置(コーク)を引き抜いて以降は,バルブによってシールがされていた。 本研究では,2009年1月に探査機潜航で1200C孔にアプローチしてバルブを開き,コーク用ケーシングパイプの海水側末端から流体が湧出することを確認し,これを採取した。以降,4航海にわたって同様に流体を採取した。採取した試料について,主要・微量溶存成分分析,気体成分分析,安定同位体組成分析,微生物群集構造解析,および放射性炭素ラベル培養に基づく微生物代謝活性測定を実施した。