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2016年に行われた国際深海掘削計画(IODP)第370次研究航海「室戸沖限界生命圏掘削調査:T-リミット」では、海底下生命圏の限界とその環境要因を調べることを目的として、地球深部探査船「ちきゅう」によって室戸岬の沖合約180kmの付加体先端部で掘削が行われ、プレート境界断層(デコルマ)を貫き基盤岩までの付加体堆積物が採取された。付加体内では、デコルマをはじめとした断層を通じた流体の移動により、海底下の生命活動の維持に必要な水・エネルギーが深部から供給されていると考えられている。このような付加体内の流体の起源と移動経路を明らかにするために、間隙水の水素・酸素安定同位体比の分析を行った。