中新世の末期(5.97~5.33 Ma)に地中海では膨大な量の蒸発岩が形成された。このイベントはメッシニアン期塩分危機(Messinian Salinity Crisis,MSC)と呼ばれ,地中海内の蒸発と大西洋からの断続的な海水の流入と交換が繰り返されることで,およそ100万km3の蒸発岩が形成された。本発表では海水の蒸発に伴う沈殿鉱物相の変化,ならびにMSCの前期〜中期に堆積したカルシウム硫酸塩(石膏,硬石膏)のマグネシウム同位体組成から復元した,地質時代で最も新しい蒸発岩形成イベントであるMSCにおける水と塩の動態について報告する。