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産総研地質調査総合センターが整備してきた陸-海域地球化学図の解釈には、空間解析と数理統計解析を併用した解析法が極めて有効である。陸域では、流域に分布する背景地質と細粒河川堆積物の元素濃度の関係性を、多重比較法を用いて明らかにしてきた。一方、沿岸域の堆積物は、「粒径効果」と「地域差」の主に2つの効果を受けている。そこで、二元分散分析を適応することで、主要な支配因子の考察を行った。しかし、実際には2つの因子が共に有意になることが多く、どちらの因子が元素濃度により大きな影響を与えているか判断できなかった。これは、p値の大小関係が因子の効果の大きさを直接反映していない為である。そこで、因子の効果を定量的に判断するための「効果量」を、地球化学図の統計解析に適用したところ、非常に有効である事が明らかとなった。本年会で、瀬戸内海と四国沖の海洋堆積物の化学組成の支配要因の議論を例に説明を行う。