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海水の放射起源Sr同位体比(87Sr/86Sr)の時代変化を利用したSr同位体層序は、地層の連続性という前提を必ずしも必要としない地質年代決定法である。海洋のSr同位体比は非常に均質であり、過去の海洋のSr同位体比進化曲線はよく制約されている。第四紀を含む斬新世以降においては、海水のSr同位体比は単調な増加を示し、Sr同位体比と年代値が1対1で対応する。そのため、Sr同位体層序はたとえ1点の試料であっても年代決定が可能であり、不連続な若い地層の年代決定には有望な手法と考えられる。ところが、第四紀における海洋のSr同位体比の変化幅は0.70903から0.70917と小さく、高い精度・確度でのSr同位体分析を実現する必要がある。本研究ではSr同位体比を高精度・高確度で長期的に安定して分析する手法の確立を目指し、表面電離型質量分析計を用いたSr同位体分析法の検討を行った。