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福島原発事故以降、土壌中での放射性Csの挙動に関心が寄せられている。土壌に存在する雲母鉱物にCsは選択的に吸着することは知られているが、雲母そのもののCs吸着能の違いについてはこれまで明らかにされてこなかった。そこで、本研究では雲母の種類(黒雲母、白雲母、イライト)と風化程度がCsの吸着能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。その結果、層間K抽出試験により風化程度の指標である全Kに対する層間Kの損失率は黒雲母:12–99%、白雲母:10–61%、イライト:12–72%となった。Cs吸着能の指標である放射性Cs捕捉ポテンシャル(=RIP)は雲母種により大きく異なり、イライト>黒雲母>白雲母の順であった。黒雲母の風化に伴うRIPの変化は、層間K損失率が48%に達するまでは単調増加したものの、それ以降は減少することが初めて明らかとなった。白雲母、イライトについて同様の減少傾向は本実験では認められなかった。