日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
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G04 鉱物境界面の地球化学、水-岩石相互作用
炭酸塩鉱物沈殿時の結晶構造がマグネシウムの同位体分別に与える影響について
*大野 剛伊地知 雄太柵木 彩花坂田 周平家路 豊成小川 雅裕福士 圭介高橋 嘉夫
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p. 36-

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抄録

炭酸塩鉱物は地球史を通じて生成され、その微量元素組成や同位体比から沈殿時の海洋の温度やpHを推定できるため、地球環境の変遷を探る上で重要な役割を果たしている。近年、新たな環境指標として炭酸塩中のマグネシウムの同位体分別が注目されている。天然炭酸塩鉱物には主にカルサイトとアラゴナイトの結晶形が存在し、主成分のカルシウムではカルサイトに比べアラゴナイトの同位体分別の方が大きいのに対し、マグネシウムではアラゴナイトの同位体分別の方が小さくなることが報告されている。この指標の有用性を評価するためには炭酸塩鉱物中のマグネシウムの局所構造に注目し、同位体分別の変動要因を理解することが重要となる。本研究では、結晶構造の違いがマグネシウムの同位体分別にどのような影響を与えるかを調べるため、天然炭酸塩試料と実験室内で合成したカルサイト・アラゴナイトにおけるマグネシウムのXAFS法による局所構造解析を行った。

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