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アミノ酸は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を持つ。アミノ酸分子(R1-)と同分子(R2-)の間で一方のアミノ基とカルボキシル基が、脱水縮合した化学結合をペプチド結合と呼ぶ。ペプチドは、アミノ酸とタンパク質の間にある準安定物質として、生化学、薬理学、栄養学的にも重要な存在である。 天然物には、同じ化学組成で、同じ質量数の分子が存在することから、クロマトグラフィーによるオンライン分離が必須であり、質量分析法の最適化が必要になる。例えば、Glycyl-alpha-alanineとalpha-Alanyl-glycineは、同組成(C5H10N2O)、同質量(Exact Mass 146.0691)、かつ、分子極性が近似しており、的確にクロマトグラフィーでの分離を行わない限り、両者の分子同定はできない。本講演では、高精度・高確度な分析法の開発と応用例を紹介し、地球宇宙化学的な展望を議論する。