核酸の構成要素である糖は、前生物的な糖合成モデルであるホルモース反応によってホルムアルデヒド(HCHO)から合成されたと推測されている。従来提案されてきたHCHOの合成反応場としては宇宙空間における星間塵、原始地球における対流圏へのUV照射や、原始大気への落雷等が挙げられる。しかし、放電をエネルギー源としたHCHO合成実験の研究例はUV照射によるものよりも少なく、放電による研究においても放電条件が明らかではない。本研究では自然界の雷と類似した電子温度と電子密度をもつ液中放電プラズマを応用することで、原始地球における落雷を模した反応場でのHCHOの生成を確認するとともに、同条件下でUV照射実験を行い、投入エネルギーに対するHCHO生成効率の比較を目的とした。結果より、CO₂存在下でのUV照射、放電による投入エネルギーに対するHCHO生成効率について比較すると、UV照射によるHCHO生成量は放電による場合の約2倍程度となった。