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後期太古代堆積岩中の有機物は、安定炭素同位体比が異常に低い値(δ13Corg=-45~-60‰)を示す。この原因として、メタン資化細菌による有機炭素固定やメタンの光化学反応によるHydrocarbon hazeの堆積物沈着などが提案されている。本研究ではこの負異常有機物の起源を探るために、後期太古代異常同位体有機物の地理的分布を調べた。これに必要な有機炭素同位体微量分析のために、キュリー点加熱装置を用いた分析法を新たに開発した。この分析法を西オーストラリア、フォーテスキュー累層における27億年前の浅海堆積岩に適用した。測定の結果、δ13Corg値-35‰以下の有機物がストロマトライト組織以外にも分布する点、無機・有機炭素同位体の間に相関がない点は、Methanotropy仮説を支持しない。δ13CorgとTOCの関係は負異常有機物の後期太古代大気からの堆積場によらない均質な供給を支持する。