p. 1-
海洋から放出される非メタン炭化水素の中でも反応性の高いイソプレンは、光酸化して二次エアロゾルを形成し雲の生成に関与する等、大気化学において重要な役割を果たしている。海洋では植物プランクトンである藍藻や珪藻等がイソプレンを生成することが報告されている。本研究では、国立環境研究所から入手した藍藻Synechococcus sp.ならびに藍藻Calothrix sp.を対象に、光量子束密度を変化させて培養を行い、イソプレン生成にどのような影響を及ぼすか検討した。本実験の結果から、Synechococcus sp.とCalothrix sp.では、イソプレン濃度が最大となる光量子束密度に違いがみられた。培養実験の結果から、雲量の変化などによる光量子束密度の変動が、海洋でのイソプレン生成に影響を及ぼす可能性が示唆された。