日本地球化学会年会要旨集
2019年度日本地球化学会第66回年会講演要旨集
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G12 初期地球と生命起源の地球化学
初期地球における非アルカリ環境でのリボース生成反応の検討
*石井 優香掛川 武古川 善博
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p. 114-

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抄録

リボースはRNAの構成要素として重要な物質である。リボースの生成反応としてはホルモース反応が知られており、塩基性条件でホルムアルデヒドが縮重合を繰り返しリボースが生成される。また、ホルモース反応に鉱物が影響を与えることも知られている。本研究では、リボースの生成が塩基性条件下に限られるのか、その生成に鉱物がどう影響するのかを明らかにするため、中性条件で鉱物添加・非添加のホルモース反応実験を行いリボース生成の有無を測定した。その結果、鉱物非添加の実験においてリボースの生成が確認され、鉱物添加の実験においてもヒドロキシアパタイトを添加した場合にリボースの生成が確認された。リボースの生成量はヒドロキシアパタイトを添加した場合の方が多かった。この結果は、初期地球で中性条件下でもリボースが生成されたことを示唆している。また、その生成速度はヒドロキシアパタイトが共存する環境で特に高かったと考えられる。

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