p. 145-
緒言:これまでに、模擬星間物質に陽子線を照射することでアミノ酸前駆体が生成することがわかっている。このような化合物が原始地球に運ばれたと考えるなら、分子雲、原始太陽系円盤、小惑星、彗星、宇宙塵などの様々な宇宙環境での安定性を考慮する必要がある。例えば、星間での宇宙線、原始太陽からの軟X線・紫外線、小惑星中での26Alの放射性崩壊によるγ線や熱、惑星間塵環境における紫外線などの影響が考えられる。本研究では、アミノ酸やアミノ酸前駆体に重粒子線や軟X線、γ線、紫外線の照射実験、及び熱分解実験を行いそれらの安定性を評価することを目的とした。