標準試料の供給を目的として、産業技術総合研究所は旧地質調査所の時代から岩石を粉末状にした地球化学標準物質を発行してきた。現在、地球化学標準物質はISO(国際標準化機構)が定めるトレーサビリティに関する規定に従って値付けを行い、共同分析によって認証値を付与して発行されている。本研究では滴定法による二価鉄の分析法について、試料処理の各過程の分析条件の再検討を行った。二価鉄の分析はまず試料を加熱した砂浴上の白金るつぼ中で硫酸とフッ化水素酸により分解し、その後、二クロム酸カリウム水溶液による滴定によって二価鉄の量を決定する。本研究ではまず酸分解について、最適な砂浴の温度と分解時間を求めた。次に試料量を変化させ、二価鉄量に対する試料量の影響を調べた。その結果、酸分解中に溶液がるつぼから溢れることがない試料量の範囲において、試料量が多いほど二価鉄量が多くなる傾向があることが明らかとなった。