土壌中のCs-137のうち、植物に移行可能な可給態Cs-137の測定は、農作物のCs-137濃度の予測や森林動態を調べる上で必要である。これまで植物に移行可能なCs-137の評価には、アンモニウム塩抽出による交換態Cs-137が用いられてきた。しかし我々は、Cs-137の持つ特異的な土壌吸着特性を考慮して、安定Cs塩抽出により可給態Cs-137を測定する手法を考案した。本発表では、1) 実験室でCs-137を吸着させた標準鉱物の抽出実験、2) 原発事故由来Cs-137を含む農地土壌の抽出実験、3) コキアのポット栽培実験の結果を紹介し、0.1 M 安定CsCl抽出がCs-137の可給性評価に役立つ可能性を示す。