主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 13-
土壌に沈着した放射性セシウムは、大部分が粘土鉱物に固定される。しかし、特に草地土壌においては、土壌に十分な放射性セシウム固定部位があるにもかかわらず、一部の放射性セシウムが比較的動きやすい形態で存在している傾向がある。草地土壌で放射性セシウムの粘土鉱物への固定反応が進行しにくい要因として、根や作物残渣などの有機物に取り込まれた状態で放射性セシウムが存在すること、粘土鉱物を被覆する有機物により、放射性セシウムの固定が妨げられることなどが考えられる。本研究では、有機物に含まれる放射性セシウムに着目し、草地土壌中の有機物に含まれるセシウムを逐次抽出法と比重分画法で分別し、137Cs/133Cs比放射能から、2011年に沈着した137Csが蓄積している画分を明らかにした。