日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
河川水の溶存ケイ酸と無機イオン濃度への稲作の影響
*櫻庭 夏海竹田 和志吉仲 由季子野尻 幸宏
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p. 18-

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抄録

河川水が山地から平地に流下する間に、河川水の溶存成分濃度は流域の影響で変化する。本研究では、青森県平川市内の中小河川の溶存ケイ酸と無機イオン濃度とその季節変化を調査した。調査により河川水のケイ酸濃度に流域の稲作が影響を与えることが分かり、中小河川の濃度観測とともに、試験水田において稲作期の水質変化を計測した。水田内用水のケイ酸は、作付け初期に大きく濃度低下した。その後濃度は上昇するものの、流入水より低い濃度で推移した。収穫期には流入水と水田内用水の濃度差が見られなくなった。特にイネの生長初期に灌漑水のケイ酸が積極的に吸収され、水田内用水のケイ酸は枯渇する。イネは生長中に灌漑水中のケイ酸を利用し続けるが、使い切ることはなくなる。平川市内で水田灌漑水に利用されている中小河川で、上流域のケイ酸濃度より下流域のケイ酸濃度が大幅に低下する現象が見られ、稲作が河川水質に影響を与えていることが分かった。

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