日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
福島第一原子力発電所事故による陸域の放射性セシウムの移行による環境回復とその要因
*恩田 裕一谷口 啓輔吉村 和也加藤 弘亮高橋 純子脇山 義史
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p. 17-

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抄録

福島第一原子力発電所 (FDNPP) 事故は、チェルノブイリ原発事故以来最大量の放射性セシウムを陸上環境に放出した。本講演では、 FDNPP事故の結果としての陸上環境における放射性核種、特に放射性セシウムの沈着と分布・移動についてこれまでの研究成果をレビューした。Cs-137の沈着後,上流域で水田,耕作や居住活動などの人為的活動は、河川ネットワークにおける浮遊土砂 (SS) 輸送のCs-137濃度の急速な低下をもたらし、これらの低下は河川水中の溶存Cs-137濃度を直接コントロールすることがわかった。これはチェルノブイリ後の定説(Fixationが濃度を支配する)とは異なる結果である。さらに,福島の事故の環境影響をチェルノブイリと比較し、チェルノブイリ周辺地域と比較して福島地域の比較的迅速な環境修復の要因と今後の課題について議論する.

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© 2020 日本地球化学会
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