日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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S3 考古と文化財の地球化学
福岡城上之橋御門石垣石材の起源についての考察 〜苦鉄質深成岩石材の特徴に注目して〜
*宮本 知治伊福 澪島田 和彦
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p. 194-

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抄録

城郭建築物において資材の供給場所を判定することは、築城履歴の詳細や当時の物流そして政治的背景を解明する基礎資料となる。福岡城の石垣では、博多湾周辺にて採取される火成岩や変成岩、堆積岩が石材として多用されている。その中の福岡城上之橋御門では、粗粒の苦鉄質深成岩が花崗閃緑岩に次いで使用されている。その産地をより詳細に推定するため、代表的な構成鉱物の組成を求めた。その結果は、比較的粗粒な普通角閃石自形結晶を含む志賀島塩基性岩中の同じ鉱物組成と共通する。苦鉄質深成岩の全岩化学組成もやはり志賀島塩基性岩に類似することから、苦鉄質深成岩石材は志賀島塩基性岩岩体から供給された可能性が高い。

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