日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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S3 考古と文化財の地球化学
考古遺跡から出土した骨遺物の放射性炭素年代測定
*南 雅代
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p. 193-

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抄録

考古遺跡から出土する骨遺物は、昔のさまざまな情報を直接我々に与えてくれる。骨コラーゲンは、放射性炭素(14C)年代測定や炭素・窒素同位体比を用いた生前の食性解析に有効である。しかし、骨コラーゲンにおいても、土壌腐植物質や微生物などの外来有機物によって汚染している場合があり、信頼性のある年代測定・同位体分析を行うには、骨コラーゲンからさらに汚染物質を除去する必要がある。本発表においては、いくつかの除去方法を用いて骨有機質の高精度14C年代を実施した例を紹介する。 さらに近年、火葬骨に対し、骨無機質のバイオアパタイトを用いて14C年代測定、安定Sr同位体比(δ88Sr)、Sr/Ca、Ba/Caなどによる生前の食性解析などが行われつつある。本発表では、いくつかの火葬骨の分析結果についても紹介したい。

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