日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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S3 考古と文化財の地球化学
滋賀県敏満寺遺跡石仏谷墓跡から出土した火葬骨のSr同位体比から探る食性と居住地域
*澤田 陸若木 重行南 雅代
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p. 198-

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抄録

骨の無機成分 (バイオアパタイト) は埋没中に土壌からの汚染を受けやすく、分析に使えないと考えられてきたが、高温 (>600℃)で加熱された骨はアパタイトの結晶度が高まることにより、汚染を受けにくくなり、元の情報を保持し得ることがわかってきた。滋賀県多賀町の敏満寺遺跡石仏谷墓跡(A~Gの各調査区に複数の墓が存在)からは高温で焼かれた火葬骨が多数出土し、古文書などから12~15世紀の敏満寺の僧侶や周辺住民が埋葬されていると考えられている。本研究では、A区・F区・G区から出土した火葬骨と、石仏谷墓跡周辺の地域を流れる河川から採取した河川堆積物及び河川水、石仏谷墓跡から採取した土壌のSr同位体分析から、生前の食性と居住地について考察した。さらに火葬骨の微量元素濃度結果に対する考察も行う予定である。

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