閉鎖性海域は、外洋との海水交換が悪いため河川などから流入する汚濁物質などが蓄積しやすく、重金属汚染が問題となっている。閉鎖性海域である大阪湾には、流域に工業地帯と大きな人口を有する淀川などからの流入があり、汚濁物質が滞留している可能性がある。鉛は、古くから利用されてきた金属で、現在も様々な用途で使用されている。鉛は、岩石、土壌などの岩石風化生成物にも一定量含まれている。特に花崗岩などの鉛含有量は比較的高いため、花崗岩分布域周辺の河川堆積物などの鉛濃度は高いことが多い。大阪湾の表層堆積物の重金属元素の分析では、高濃度の鉛が分布する海域が見られたが、人為由来と天然由来の定量的評価は行われていない。本研究では鉛の同位体比を利用して大阪湾堆積物中の人為起源鉛の起源の特定を試みた。