主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 31-
福島第一原子力発電所事故の影響を受けた森林において,降雨に伴う水流出時に溶存態放射性セシウムがリターから溶出することで,流出水中の濃度が上昇することが指摘されている.本研究では,そのプロセスを源流域の水文プロセスと関連付けて明らかにするため,森林リターを用いた溶出試験と降雨流出時の水文解析を実施した.溶出試験において,撹拌・無撹拌関わらず試験開始1時間以内のセシウム溶出速度が速く,時間の経過とともに緩やかになった.この結果を用い,降雨時の流出水のセシウム濃度を再現するために必要なリター量を算出した.その結果,流出量や飽和帯の拡大面積とリター量は量的に傾向が一致した.このことから,降雨時に一時的に形成される飽和域におけるリターからの溶出が,降雨時の流出水中の溶存態放射性セシウム濃度を上昇させる要因の一つであることが示唆された.