日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G1 大気とその境界面における地球化学
北陸地方における上空大気中の過酸化水素およびホルムアルデヒド濃度の測定
*渡辺 幸一楊 柳長堀 友尾形 佳行中村 賢大谷 卓也
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p. 5-

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抄録

富山県射水市上空において小型ヘリコプターを利用し、過酸化水素およびホルムアルデヒド濃度の測定を、オゾン、二酸化硫黄および粒子個数濃度の計測と共に行った。通常、過酸化水素濃度は上空で濃度が高く、ホルムアルデヒドは地上付近で高濃度となった。寒候期においては、二酸化硫黄濃度に対して過酸化水素が低濃度であり、大気液相中で硫酸の生成よりも二酸化硫黄とホルムアルデヒドとの反応によるヒドロキシメタンスルホン酸生成が卓越するものと考えられる。2020年8月5日に観測を行った際には、西之島の噴火活動の影響が北陸地方にも伝わっており、二酸化硫黄や粒子個数濃度が高かったが、過酸化水素濃度は夏季としては非常に低く、二酸化硫黄の酸化に消費されていたものと考えられる。

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