ベンガル湾における溶存態および懸濁粒子態鉛同位体比の分布

抄録

海洋におけるPb同位体は、人間活動の活発化により海洋への負荷量が増加した微量元素の一つである。海洋内のその動態の理解には同位体比の活用が有用である。また、海水中のPbは粒子に吸着除去されやすいため、その生物地球化学サイクルを理解するには溶存態のみならず粒子態の知見を得ることも重要となる。本研究では、ベンガル湾における溶存態のPb同位体比データをアップデートすると共に、懸濁粒子態Pb同位体比の分布を解明した。流入源の同位体比を把握するために河口域で採取した溶存態用試料の分析値も取得した。