海洋細菌やウイルスは地球規模物質循環の時空間変動に大きく影響しているが、気候変動に対する海洋の応答を予測するためのこれらのプロセスや物質の輸送・変換効率については未だ不明な点が多い。近年、細菌やウイルスの活動が植物プランクトン由来の粒子生成を促進させるといった知見がいくつか報告され、新たな海洋炭素循環の制御メカニズムが明らかになりつつある。本発表では、現状解明されている細菌やウイルスによる海洋炭素循環の制御メカニズムの概要と、発表者が進めている細菌の表面性状と懸濁態微小有機物との関係について紹介を行う。