初期地球におけるヌクレオチドの生成において、その構成要素であるリボースが非常に不安定な糖であることが大きな問題であった。先行研究ではホウ酸がリボースを選択的に安定化させる点に着目し、ホウ酸の存在下における糖の生成実験などを行っている。一方で、リボースがリン酸や核酸塩基と結合するヌクレオチドの生成反応において、ホウ酸によるリボースの選択性への影響は明らかになっていない。そこで本研究では、ホウ酸の存在下においてリボースを含めた4種類の五炭糖のリン酸化実験を行い、その生成量の比較を行った。実験の結果、他のリン酸化糖と比較しリボースリン酸の生成量が最も多いことが確認された。本研究の結果から、ホウ酸は糖の生成だけでなくヌクレオチドの生成に関してもリボースの選択性を高めるということが明らかとなり、初期地球のホウ酸が豊富な環境では、リボースを用いたヌクレオチドが選択的に生成されたことが示唆される。