主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 70-
西部北太平洋亜寒帯は,豊富な栄養塩の存在にも関わらず生物生産が制限されている高栄養塩・低クロロフィル(HNLC)海域のひとつで,鉄がその制限要因であることが知られている.この海域への鉄の主な供給源として,アジア起源の風成塵やアムール川由来の河川物質,カムチャツカ半島や千島・アリューシャン列島の火山性物質などが提唱されている.しかし,これらの供給過程には未解明な点が多く,各供給物質の寄与の定量的な評価は不十分である.本研究では,各供給源からの鉄供給量の定量的評価を行うため,沈降粒子中の陸源性アルミノ珪酸塩砕屑物に注目し,Sr, Nd同位体組成と微量元素組成を指標に供給源解析を試みた.陸源砕屑物成分と供給源候補の物質の同位体組成を対比した結果,この海域には上記3つの供給源全てから砕屑物の供給があり,特に,春から夏にかけては風成塵の,夏から秋にかけてはアムール川由来成分の寄与の増加がみられた.