日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G5 古気候・古環境解析
蒸発岩を用いたメッシニアン塩分危機における地中海の硫黄同位体比復元
*古知 武黒田 潤一郎小川 奈々子吉村 寿紘大河内 直彦
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キーワード: 蒸発岩, 硫黄同位体
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p. 75-

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抄録

蒸発岩は海水のような塩を含む水溶液が蒸発することで晶出する鉱物で構成される岩石であり、後期中新世には地中海でメッシニアン塩分危機の発生により大規模な蒸発岩が形成した。メッシニアン塩分危機では地中海全域に石膏が堆積し海水から大量の硫酸イオンが除去され、海洋の硫黄同位体比・硫黄循環に大きな影響を与えたと考えられる。しかし、メッシニアン塩分危機全体の硫黄同位体比・硫黄循環の変化については検討されていない。また、溶液から石膏が晶出する際には1.65‰の同位体分別が起こり、石膏に34Sが濃縮することが室内実験によって確認されているが、先行研究ではこの同位体分別の影響が考慮されていない。本発表ではこの同位体分別を考慮し、メッシニアン塩分危機中の硫黄同位体比変動とその原因について議論する。

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