日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G5 古気候・古環境解析
高確度窒素・炭素同位体比測定に向けた前処理法の検討: 堆積岩標準試料を用いた再評価
*藤崎 渉松井 洋平澤木 佑介
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p. 74-

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抄録

堆積岩から得られる有機炭素・窒素の濃度・同位体比は現在に加え太古の環境復元に役立つ地球化学的指標であるが、その前処理法については議論が続いている。本研究では、GSJ及びUSGSが提供している現在の海底・河川・湖底堆積物及び太古の海底堆積物に様々な前処理を施し、炭素・窒素の濃度・同位体比測定結果からその評価を行った。前処理法については以下の3種類を用いた: (1)塩酸処理をしない方法、(2)2M/6M塩酸にて室温/70℃にて加熱処理の後、超純水にて酸を洗浄し測定する方法、及び(3)銀カプセル内で酸処理を行った後に測定する方法。その結果、窒素分析に関しては先行研究と同様に未処理の試料を用いるのが最適であるという結論に至った。一方で炭素分析に関しては、酸に可溶の有機物であるであるビチュメンや不溶であるケロジェンの混合割合を考慮し、現在の試料に関しては(3)の方法で、太古の試料については(2)の方法で前処理を行う必要があることが示唆された。

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