探査機はやぶさ2はC型小惑星リュウグウの近傍探査を行い、全球観測、着陸機による表面その場計測、2回の表面試料採取、人工クレーター生成実験などを成功させた。その結果、リュウグウは母天体破片が集積してできたラブルパイル天体であり、過去の高速自転による回転不安定によってコマ型形状が造られたことが強く示唆された。表面には含水鉱物が広く分布し、加熱による部分的脱水を経験した可能性がある。岩塊には複数の種類があり、母天体上での熱変成や衝突混合の可能性を示唆する。生成された人工クレーターの直径から、表層物質の凝集力は小さく、表面年代は若いことがわかった。熱画像からは小天体特有の熱特性についても明らかになった。講演では、2020年12月5日の試料カプセルの地球投入以後に行われる地上分析への期待も語りたい。