近年の研究から、地球を形成した始原的な物質の痕跡が深部マントルに保存されており、それらの同位体化学的特徴が上部マントルとは異なることが明らかになってきた。しかし、これら始原的な物質がどの種類の惑星物質に対応するのか、いつ原始地球に集積したのかは、未だに明らかになっていない。これらの問題を解決するために、我々は、始原的隕石および分化隕石で見られる54Cr, 50Ti安定同位体異常(e.g., Trinquier et al. 2009)に着目した。本研究では、深部マントル由来の火成岩であるオントンジャワ海台 (OJP) 玄武岩、サモア海洋島玄武岩 (OIBs)、シンブームクラトンコマチアイトに高精度 Cr-Ti 安定同位体比分析を適用し、同一フラクションから得られた54Cr, 50Ti安定同位体組成にもとづいて、地球の材料物質の起源を明らかにすることを目指す。